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ひとまず読んだ本の紹介を続けていく

クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』の紹介

読み終わったので『イノベーションのジレンマ』を紹介する。

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)

 

指標

  • テーマ:イノベーション
  • 文章量:少なめ
  • 内 容:普通
  • 行 間:普通
  • 推薦度:★★★★★(満点)

内容

第一部 優良企業が失敗する理由

本書は、

「積極的、革新的で顧客の意見に敏感な組織と評価された企業が、戦略的にきわめて重要な技術革新を無視したり、参入が遅れたのはなぜか」

という疑問から始まる。

第一章 なぜ優良企業が失敗するのか-ハードディスク業界に見るその理由-

まず、ディスク・ドライブ業界の歴史を通して優良企業が失敗するメカニズム、すなわち本書のテーマでもある破壊的イノベーションとは何かを説明している。

ちなみにここでいう破壊的イノベーションとは、いわゆる最先端技術の開発だったり、そういった抜本的イノベーションのことではない。これは意外だ。

むしろ破壊的イノベーションは技術的には簡単なことが多いらしい。

カニズムとして優良企業が頑張れば頑張るほど失敗してしまうのだ。だからジレンマなのだろう。

第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激

次に、優良企業がなぜそういったメカニズムにハマってしまうのかという話だ。

既存の研究には、組織やマネジメント、技術的な難しさに焦点を当てているものが多いが、そうではない。

バリュー・ネットワークという概念を導入することで異なるアプローチができる。

第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション

以上を踏まえ、今度は掘削機業界の事例を説明している。

第四章 登れるが、降りられない

優良企業が破壊的イノベーションにハマった場合、なぜ取り返せないのか。

そこにはハイエンドには行けるがローエンドには行けないという異方性があるのだ。

第二部 破壊的イノベーションへの対応

第二部では、破壊的イノベーションに遭遇したらどう対応していけばよいかという話が始まる。残念ながら、破壊的イノベーションの起こし方ではない。

第五章 破壊的技術それを求める顧客を持つ組織に任せる

破壊的イノベーションにハマる理由に、当初は既存顧客が破壊的技術に価値を見出さず、よって企業もまじめに取り組まないというメカニズムがある。

破壊的技術が生まれたとき、それはそれを欲しがる人に売り、そのための組織がマネジメントしていくべきなのだ。

第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる

当たり前だが生まれたての破壊的技術は未熟であり市場も小さい。

これを主流の組織に放り込んでしまっては、その短期的な目標に晒され弱小組織として揉みくちゃにされてしまう。

主流とは少し距離を置き、適切な規模で進めていくべきだ。

第七章 新しい成長市場を見出す

既存市場に対しては既存の顧客を満足させ売り上げを伸ばす計画を立てればよい。

しかし、新しい市場に対しては不確実性が高く、そもそも知り得ないことが多い。

よって、破壊的技術による新しい市場に対しては、学習し発見するための計画を立てるべきなのだ。

第八章 組織のできること、できないことを評価する方法

組織にできること、できないことは、

  • 資源
  • プロセス
  • 価値基準

の3つによって決まる。

既存の組織が新しい市場で必要となる能力を持っているかは保証できない。

もし、既存の組織が能力不足ならば、破壊的技術に対する能力を持った組織をどうにかしてつくりあげなければならない。

第九章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル

製品のライフサイクルを表す図としてS字のカーブが使われる。

しかし、破壊的イノベーションを知った今、S字カーブだけでは不十分である。

そこには性能の供給過剰というメカニズムが存在するからだ。

第十章 破壊的イノベーションのマネジメント-事例研究-

最後に以上を総合して、電気自動車を破壊的技術と見立てて事例研究を行う。

第十一章 イノベーションのジレンマ-まとめ-

本書のまとめだ。

まとめ

とても、おもしろかった。

もっとユーザーに合わせて、もっと高機能に、、、と追い求めれば追い求めるほどドツボにハマっていくジレンマを高々300ページで説明している

ただし、破壊的イノベーションのジレンマという概念が簡単なわけではない。

要素要素の分析を総合しても出てくるタイプではない、もっと大域的な概念だ。
そして、メカニズムという言葉を何度も使用したが、そういった動的な側面もある。

既存のビジネスの質を上げていくだけではなく、新しい挑戦が必要な理由はここにあるのかもしれない。

誰もが自然に陥ってしまうジレンマだからこそ、一読の価値がある本だ